2011年6月5日日曜日

国家破綻とゴールド


日本が国家破綻(デフォルト)したらどうなるのか
IMFの管理下に入ってIMF主導の金融政策を行うことになるのは間違いない。

・公務員の総数・給料30%以上カット。
・公務員の退職金は一切認めない。100%カット。
・年金は一律30%超カット。
・国債の利払いは5年から10年間停止。
・消費税を20%超に引き上げる。
・預金については一律ペイオフを実施。第2段階として、預金を30%~40%カット。
・……etc
ざっと思いつくのはこのあたりだろうか。

最近エジプトで富裕層のキャピタル・フライト(資金逃避)が起きた。騒乱によって紙くずになった自国通貨を捨て、ゴールドに換えて逃げようとしたのである。しかし暫定政権はそれを察知してゴールド持ち出し禁止令をだした。

アラブの場合、金の集積地はドバイが中心となっていて、富裕層は持ち出したゴールドをドバイ・ゴールドスーク(Gold Souq)で換金することができる。ゴールドスークでは売買の通貨がドル・ユーロ・ポンド・スイスフラン・日本円の国際通貨がほとんど使えるので、まさにエジプトの富裕層にとってはゴールドはキャピタル・フライトに最適なものなのだったのである。しかし、もうエジプトの富裕層はその手が使えなくなった。政府が崩壊してから動いても遅いのである。

ここで通貨をゴールドに換えて保有するメリット・デメリットを考えてみよう。


メイプルリーフ金貨
【メリット】
(1)紙くずにならず価値の保全性がある。
(2)世界中どこでも価値が認められている。
(3)自分で持っておける。
【デメリット】
(1)有事になると国外に持ち出しにくい。
(2)有事が終わるまで換金できない。
(3)すでに金価格が高い。

日本円が紙くずになるのを考えると、ゴールドで持っておくのは非常に有利なのだが、すべてをインゴットにしてしまうと換金のときに困る。何といっても重量があり持ち運びに不便だ。そこでメイプルリーフ金貨はどうだろうか。これなら香港でもタイでもドバイでもフィリピンでも好きなところで換金できる。しかも大きさ的にも持ち運びに便利だ。ただし金価格はすでに暴騰していて今から金を買うことになるとためらう人も多いだろう。その場合は、金貨を少しずつ買っておくといいかもしれない。いわゆるドルコスト平均法を使う。それならば、相場と付き合わないで済む。

まとめると以下のようになる。デメリットをできるだけ緩和する方向でゴールドを持つならば以下の方法になるだろう。

(1)有事になると国外に持ち出しにくい。
最初から持ち出さないと割り切って、日本でもっとも信用のある田中貴金属工業や三菱マテリアルでインゴットを買い、自宅もしくは貸金庫で保管。

(2)有事が終わるまで換金できない。
メイプルリーフ金貨は恐らく換金できる。海外への持ち出しも、財布やポケットに入れていればそのまま持ち出せる可能性も高い。

(3)すでに金価格が高い。
ドルコスト平均法でリスクを分散しておく。

だいたい上記のような方法で対処できるのではないだろうか。現金はハイパーインフレ・国家破綻時には真っ先に信用がなくなるものである。やはり流動性を持つものに換えて有事に備えるべきだと思う。

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