2012年5月5日土曜日

米国では、雇用情勢の回復ペースの鈍化が明らかになったことで、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦制度準備理事会(FRB)が追加緩和に踏み込むかが焦点となっている。バーナンキFRB議長はこれまで、雇用の大幅な拡大を維持するには緩和策が必要との認識を示しており、労働市場が好調だった年初においてもハト派姿勢を崩していない。また、前回FOMC会合後の会見では、必要に応じて追加措置を講じる用意があると述べ、追加金融緩和策の可能性を残している。あさって10日には、シカゴ地区連銀の会合でバーナンキ議長の公演が予定されており、次回のFOMC会合に向けて追加緩和の可能性が示唆されるかが注目される。

欧州では、6日に実施されたギリシアの総選挙で、緊縮財政措置の遵守を誓約していた連立与党が過半数151議席を確保できなかったことで、無政府状態に陥る懸念が高まっている。第一党のサラマス新民主主義党(ND)党首は、7日からの3日以内に連立政権をまとめる必要があるが、第二党の反緊縮派の急進左派連合(SYRIZA)以外の野党と連立政権を模索したものの、すでに交渉が決裂したことを明らかにした。今後の組閣の責務は第2党のSYRIZAに移るが、まとまらない場合はパプリアス大統領が挙国一致内閣の組織を目指す。すべての試みが失敗に終わった場合には、約3週間後に再選挙が実施される。

再選挙になった場合、早くて5月16日に告示され6月10日に実施される可能性があるが、その場合は有権者の票がいっそう急進左派連合や極右政党に流れる可能性が強まる。ギリシャ議会は、6月に欧州連合(EU)、国際通貨基金(IMF)の支援と引き換えに2013年および14年に実施する110億ユーロ超の追加歳出削減について採決することになっているが、少数政党の台頭は、国際支援を得るための緊急策が承認される可能性を狭めるだけでなく、ギリシャがユーロを離脱する可能性を強めることになる。



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