2011年6月18日土曜日

2011-06-20 ~ 06-24 一段の円高注意

EUR/USD 日足
USD/JPY 日足
今週はギリシャ支援問題の不透明さからユーロドルは大きく下げに転じている。ギリシャ債償還に対する民間債権者の関与に関して強行な姿勢を示していたドイツがフランスやECBに対して譲歩の姿勢を見せたことから、ユーロも下げ加速とまではならなかった。ドイツは償還債券の7年債への借り換えを主張していたが、ギリシャ債のデフォルトにあたり、仏、ECBは難色を示していた。仏、ECBは民間債権保有者が「自発的」に新発債へのロールオーバーに応じるウィーン・イニシアティブの方式を軸とする処理を主張していたが、これをメルケル独首相も受け入れた格好だ。

デフォルトとなれば市場が混乱するることは必至で、ECBもギリシャ債を担保として受け入れることが出来ない。そうなればギリシャの金融機関に対する資金供給へも大きな支障が出ることになる。もちろんギリシャ債を保有している独仏の金融機関にも大きな影響を与え、両国ともそれは避けたかったようだ。

しかし、政府から促されるロールオーバーの処理が、本当に「自発的」かという疑問も残り、デフォルトにあたらないのかどうかは未知数。格付け会社の一部にはデフォルトと見なすとの見解も出ているが、この辺を最終的に確認できるまでは要注意ではある。また、徹底したギリシャの財政再建が支援の条件だが、ギリシャ国内では大規模なデモやストが実施されており国民の不満も強い。内閣改造を行ったパパンドレウ政権が完全に実行できるのか不透明な部分も多く、更にインフレや景気減速がギリシャ経済を圧迫しそうな雰囲気もある中、まだまだ前途多難な状況に変わりはない。ユーロは引き続き警戒感を持って見て行くべきであろう。

さて来週だが、EU財務相会合、EU首脳会談が予定されており、ユーロの下値には引き続き警戒したい。またFOMCも控えている。今回も2日間のFOMCということで、バーナンキ議長の会見も予定。ただ概ね変化はないものと見られ、可能性の高いシナリオとしては、6月末での国債購入の打ち切りを表明、しかし、出口戦略への舵切りもなく、保有債券償還分の再投資といった緩和姿勢は継続を示唆。しかし一方で、追加緩和第3弾(QE3)までは踏み込まないといったところか。

FRBは直近の回復軟化は一時的と位置づけており、7、8月のデータを待ちたい構えだ。しばらくは現状を維持し、様子見姿勢を示すことが予想される。議長が会見で偏った発言をしない限り、一時的な反応で通過するものと思われる。ドルもユーロも買えない状況なら、若干円高の動きには注意したい。

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