2011年6月12日日曜日

自然災害と反米機運

人口の爆発的増加や環境破壊、それに加えて地震、洪水、灼熱の夏、酷寒、そして最近では世界のあちこちで報告されている動物の異変。去年はイタリアにもハイチにもチリにも、そして今年になって我が日本でも国家を揺るがすような大地震が立て続けに発生して多くの人々が被害を受けた。
パキスタンでも国民の半分が影響を受けるような巨大洪水に見舞われ、今年になってオーストラリアが大洪水の被害に遭っている。これらを地球全体の災害だとしてひとつにまとめて捉えると、ここ数年で何か大きな異変が続いていることが窺わせていて薄気味悪い。
これを地球温暖化だという人もいるし、ちょっとした氷河期に入りつつあるのだという人もいる。どちらなのかは科学者の間でも意見が分かれているが、いずれにせよ地震や天災、気象の激変や自然環境の悪化は、誰もが感じているのである。
通常はここで「災害に備えないとならない」と考えるのだが、最近はそうではなく、「これに意味があるのではないか」と考える人たちがいることだ。自然災害と言えば「自然に起きる災害」だから、「意味」はなく、単に自然が荒れているのを意味していると誰もが考える。しかしごく一部に自然災害は自然に起きた災害ではなく、人為的に起こされている災害だと考えている人達がいるのだ。
2008年の北京オリンピックのときに中国政府がやったことを思い出してほしい。中国は人工降雨弾をオリンピックの前に三千発も空に撃った。ヨウ化銀を大気中に撒くことで雨を早めに降らし、オリンピックの快晴を演出したのである。れは秘密でも何でもなくて一般紙にも書かれていたし、その報道で初めて「そんな技術があったのか」と驚いた人も多いと思う。これで雨を降らせることができるのであれば、冬に使えば未曾有の大降雪になる。今年の年末年始はヨーロッパでは記録的な大雪だったが、こういうのも人工降雨弾、もしくはその技術を使って飛行機でヨウ化銀をばらまけば実現できた。
現在、人工降雨の研究はロシア、アメリカ、中国で研究が先行しているという。それだけでも何か途方もない話だが、最近では地震を人為的に起こす技術まであって、それがあちこちで使われていると主張する人もいる。「ハイチの地震はアメリカが起こした」と主張したのは、ベネズエラのチャベス大統領だった。
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地震を人為的に起こすとはどういうことだろうか。これはソ連(現ロシア)などが、人為的に小さな地震を起こして大きな地震を回避できないか、という発想から研究されたものである。可能なのだろうか。技術的にはすでに可能だと言われている。可能どころか、すでにアメリカ軍はあちこちで使っているという人もいるのである。
超兵器「HAARP」なるものの存在をご存知だろうか。アメリカではこれらを「高周波活性オーロラ調査プログラム」通称「HAARP(High Frequency Active Auroral Research Program)」と呼んでいる。「HAARP」で検索すると、どこを見ても「地震兵器」だと書かれていて、相当流布されている説であることが見て取れる。
しかしアメリカは「いや、これはイオン層を調べるための実験・分析装置である」と言っているだけで、これが兵器であるとはひとことも言っていない。そもそも名前からして「オーロラ調査プログラム」である。しかし、ベネズエラのチャベス大統領を納得させるには至っておらず、アメリカが「playing the God」している、すなわち「神を演じている」と言わしめている。壮大すぎると話が荒唐無稽になっていくのは宗教と同じで、結局それを信じていいのか悪いのかは分からないのが今の世の中である。問題は、誰がそれを信じているのかということだ。チャベスは地震兵器がアメリカの陰謀だと信じ込んでいる。
地震の本当の狙いは言うことの聞かないイスラム大国イランに向けることで、ハイチはテストだったというのがチャベスの信じるところだ。リビアのカダフィ大佐は911がアメリカの陰謀だと国連で全世界に放言した。イスラムを敵にするために、アメリカがわざと起こしたのだという。
これによって起きる反応は、新興国やイスラム国の完全なる反米姿勢である。ハイチの地震はアメリカの兵器だと聞かされれば、多くのハイチ人は反米になる。また、チャベスのような反米の大統領が「あれはアメリカがやった」と言い回ると、ハイチとは関係のないイスラム国・新興国も一緒に反米になる。すなわち、イスラム国家と新興国で大災害が起きれば、アメリカがそれをやったとして、反米化が促進していくという事実である。アメリカのせいかどうかは別にして、アメリカのせいにすることで反米機運が高まるのである。これは興味深い傾向だ。

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