2011年6月11日土曜日

2011-06-13 ~ 06-17 波乱含み

EUR/USD DAY
序盤は先週の流れを引き継いでユーロ買いが先行したが、後半になって急速に調整売りが強まっている。市場に対する警戒感が強まったためで、ユーロドルは1.47近くから1.43台前半まで急降下した。

きっかけはECB理事会後のトリシェ総裁の会見だったが、インフレに対する強い警戒を示し、7月利上げを強く示唆したためだ。7月利上げ自体は既に十分織り込まれている面が強く、景気減速懸念が強まるようならば、インフレ期待の後退と連続利上げ期待の後退がユーロのリスクシナリオとし浮上するからだ。

さて来週だが、波乱含みの可能性に注意したい。米景気減速懸念が強まっているが、新興国でも資源国でもないEUが、米経済にデカップリングするとは考え難く、来週発表になる米指標、そして、中国の一連の指標次第では、ドル以上にユーロが売られる場面も想定される。

FRBによる量的緩和第3弾(QE3)への期待も出て来るであろうが、ダドリーNY連銀総裁は直近の軟化の要因として、悪天候や日本の震災の他に、商品相場高騰に言及していた。商品相場高騰については、一部連銀総裁から、FRBの緩和策が要因の一部となった可能性を認める発言も出ている。更なる追加緩和となれば、インフレを加速させ、事態をより悪化させる懸念もある。

FRBは今回の軟化を一時的と位置づけており、下期は回復が加速すると見込んでいる。そのため、7、8月の指標を確認したいようだ。よって直ぐにQE3を示唆することは無いだろう。またユーロにとってはギリシャ問題が依然として燻っている面が大きい。

独議会がギリシャ支援を採択したのだが、その条件に民間債権者の関与を入れている。民間にも一定の責任を負ってもらおうというものだ。返済期限延長や自発的な借り換え受諾などだが、格付け会社はその場合はデフォルト、もしくは信用事由にあたる可能性を示唆。これまでギリシャ債を買い支え保有しているであろう(未公表)ECBも、デフォルトとなれば受け入れることができず、民間関与には反対姿勢を示している。

EUは6月20日を支援正式決定の日取りとしているが、支援者間での意見の相違から、それまでに波乱含みの展開も警戒される。その状況下、5年物ギリシャ国債のCDSスプレッドは1561と過去最大まで悪化した。

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